日本経済の不安要素その1:中国株バブルは崩壊寸前?

こんにちは
アークブレインの田村誠邦です。

作日は晴れ間が広がって、梅雨の中休み
でしたが、今日は朝から曇り空、昼からは
雨の予報です。

さて、一昨日24日の日経平均株価終値は、
前日比58円高の20,868円と、2000年の
ITバブル前の高値を上回り、18年半ぶり
の水準まで上昇しました。

昨日の日経新聞の記事によれば、円安や
企業統治の改革で成長根の期待を高めた
日本企業を評価し、南欧やアジアから新た
な投資マネーが流れ込み、さらにギリシャ
債務問題の前進を受けての安心感で、海外
から幅広い注文が入ったとのことです。

日経新聞の解説では、市場での高値警戒感
はあるものの、企業業績に対する株価水準
を示す予想株価収益率PERは、米国等と
同水準で割高感はなく、日銀や年金基金等
の公的マネーの買い支えもあり、日本株は
下がりにくい状況が続くとのことです。

しかし、この一見好調に見える株価も日本
経済も、実はきわめて不安定な基盤に寄り
かかっており、いつ大きなクラッシュが
あっても不思議はないのではないかと、
私には思えます。

その第一の不安要素は、中国の株バブルの
崩壊であり、いま海外投資家の間で、一番
の懸念材料と言われています。

2015年に入ってから直近のピークの6月
12日の5,410まで、上海総合株価指数は
約60%値上がりし、深センの創業板指数に
至っては約2.5倍の値上がりを記録して
います。

株価は通常は、実体経済の好調さという
裏付けがあって上がるものですが、中国
経済については、昨年来の経済成長率の
低下が、今年になって一段と悪化しつつ
ある中での株価の高騰なので、明らかな
バブルではないかと言われています。

上海総合指数は、リーマンショック前の
2007年10月に6124の最高値を付けて
から暴落し、2008年10月の1664まで
わずか1年で実に73%の下落を記録して
います。

その後、中国政府の4兆元(約60兆円)
にも及ぶ大規模な景気対策によって、中国
経済はリーマンショック後の世界経済を
牽引する成長を遂げたのですが、なぜか、
上海総合指数は、それほど大きな上昇を
示していませんでした。

それが、中国の経済成長率低下が顕著に
なりつつあった昨年秋から、この6月初
めまでに、2倍以上の高騰を記録して
いるのです。

この中国の株価高騰を支えているのは、
中国国内の膨大な数の個人投資家です。

この6月第1週には、個人投資家による
新たな口座開設数が443万件にも達した
とのことで、中国国民の間で、株式投資が
異常なほどのブームになっていることが
伺えます。

経済成長が鈍化している中で、少しでも
有利な投資先を求めて、今まで株式投資を
行っていなかった層の人々まで、値上がり
が続く株式投資に参加しなければ損だと
なだれ込んでいるわけです。

こうしたブームを受けて、過去12カ月間
の中国の株式市場の時価総額の増加額は
6兆7000億ドル(約830兆円)に達し、
この額は米国を除くあらゆる国の株式市場
の時価総額を上回っっているそうです。

中国鉄道グループ(日本でいえばJR各社
の持ち株会社のような存在)の株価は、
昨年5月からの1年間に15.5倍に値上が
りし、中国の国営石油会社ペトロチャイナ
の時価総額はエクソンモービルを抜き、世
界最大のエネルギー企業となっています。

Financial Timesの6月4日の記事によれ
ば、5月の上海・深セン両証券取引所の合計
出来高は、ニューヨーク証券取引所の出来
高の10倍を突破したとのことで、中国の
株式市場が世界最大の流動性を持つ市場に
なりつつあるようです。

こうした株式市場の活況が、実体経済の
好調さに支えられたものであれば問題は
ないのですが、現在の中国経済は、経済
成長率が急速に悪化しているのです。

中国政府によれば、今年1~3月期の成長
率はリーマンショックのあった2008年
以来の低水準となる7%とのことですが、
実際の減速はこの公式発表よりはるかに
大きいとするエコノミストが大半です。

実体経済の指標といわれる製造業生産高
は、年初来平均の前年同期比で5.6%増
まで下がり、粗鋼消費量は、前年同月比で
ゼロからマイナスで推移し、実質貨車輸送
量は前年同期比変化率で、マイナス十数%
まで下がっています

その一方で、中国の銀行の総資産額は、
米国のそれをはるかに上回り、10兆ドル
の大台を超えていますが、これは、国内
への融資総額の大きさを表しており、中国
国内の負債総額はGDPの2.5倍に達して
いるそうです。

特に不動産投資やインフラ投資に傾斜した
国有企業や地方政府、その配下にある投資
平台では、不動産価格の頭打ちや下落に伴
い資金繰りが悪化し、中国政府はその救済
のために、国内金融機関に対し、これらの
支援を要請しているそうです。

また、鉄鋼などの産業部門では、過剰投資
による価格の下落や操業率の低下が深刻で
私企業の倒産件数は過去最悪の水準に達し
ているようです。

株式市場における株価上昇は、窮地にある
国有企業や私企業の資金調達に有利に働く
ため、中国政府はバブルとも思われる株高
を規制することはなく、むしろ政策金利の
引き下げや融資規制の緩和等で、株高支援
をしています。

これは、国内の景気対策だけでなく、国有
企業や私企業、地方政府などの金融支援の
ためのやむを得ない政策ですが、バブル化
した株式市場には、火に油を注ぐことにも
なっているのです。

中国は、重工業とインフラへの投資に立脚
してきた従来の経済モデルを、国内の消費
とサービスを主体とする成長モデルに転換
しようとしているのですが、実体経済の
低迷と、資金余剰による株高騰という相反
する危険な状況を招いているのです。

そして実際の株価も、6月19日には中国
の各株式市場で大幅下落が発生し、1週間
の下げ幅は、チャイナネクストの14.99%
を筆頭に、2ケタの下落を記録する指数が
多く、中国市場のバブル崩壊の兆しが徐々
に現れているようです。

中国は今でも統制経済だから、バブルの
崩壊はあり得ないとする向きもあります
が、リーマンショック時の上海市場の崩壊
を見てもわかるように、世界中の歴史上、
これまで政府がバブル崩壊を止められた
事例はないというのが現実です。

しかも、肥大化した中国の金融マーケット
の世界経済における位置づけは、リーマン
ショック時とは比較にならないほど大き
く、中国の株式市場のバブル崩壊は、いま
では、ニューヨーク市場のそれに匹敵する
インパクトがあるかもしれないのです。

このように、日本経済を取り巻く最大の
懸念材料の一つが、中国株式市場のバブル
崩壊なのです。

最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。

田村誠邦

■編集後記

今週の22日は、二十四季節の一つで、
1年のうち昼間が最も長い、夏至の日
でした。

学術的には、太陽が地球上を通る線である
「黄道」と赤道とが一番離れて通過する
地点を「夏至点」といい、この夏至点を
通過する瞬間が「夏至」であり、通過する
日を「夏至の日」というのだそうです。

日本では、梅雨があるせいでしょうか、
夏至の日を祝う風習はあまりありません
が、緯度が高く太陽が貴重なヨーロッパ
諸国では、夏至の日に太陽に感謝する祭り
が多く開かれるそうです。

もしも、太陽光発電などの太陽エネルギー
が、エネルギーの主役なることがあると、
日本でも夏至の日を祝う習慣が定着するの
かもしれませんね。

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