日本経済の不安要素その2:ギリシャだけでない欧州の火種?

こんにちは
アークブレインの田村誠邦です。

梅雨も後半に入り、梅雨前線の動きが
活発化しているのか、今日も朝から雨が
降り続き、気温も肌寒いくらいです。

さて、前回の6月26日のメルマガで中国
株バブルの崩壊の不安いついて取り上げた
のですが、その時点では、次はギリシャ
危機について取り上げる予定でした。

ところが、実体経済の動きの方が、はるか
に早かったようです。

ギリシャのチプラス政権がEUの提案した
財政再建策について拒否の姿勢を示し、
7月5日の国民投票に財政再建策受入れの
是非を問うことを決めたことを受け、先週
の金融市場は大荒れの展開となりました。

ギリシャは、6月30日が期限だったIMF
への16億ユーロなどの借入金の返済が
できず、事実上のデフォルト状態に陥って
おり、7月5日の国民投票の結果次第では、
ギリシャのユーロ圏からの離脱の可能性も
現実味を帯びてきているのです。

こうした情勢を受けて、前回のメルマガで
取り上げた上海市場をはじめとする中国の
株式市場は、一段と下落幅を広げ、先週の
上海総合指数の終値は3,686.92と、6月12
日の直近のピークからわずか3週間で32%
もの下落を記録しています。

こうした暴落ともいえる事態を受け、中国
政府も、政策金利の引き下げに加え、信用
取引規制の緩和や取引手数料の引き下げ等
の株価対策を実施しましたが、その効果は
上がっていないようです。

このため、昨日の日経新聞報道によると、
中国の証券当局である証券監督管理委員会
は7月4日に、大手証券21社に対して、
上場投資信託への総額1200億元(約2兆
4千億円)の投資を週明けすぐに実行に
移すよう求めたそうです。

また、投資ファンド業界に対して株式市場
への集中投資を促したり、新規株式の公開
を制限し、市場の需給を一気に改善を狙う
など、まさになりふり構わぬ株価維持政策
を実行しようとしているようです。

週明けの市場で株価の下落に、何としても
歯止めをかけたい中国政府の意向を強く
映した措置ですが、巨大化した中国市場で
2兆円程度の買入がどれほどの効果がある
のか、やや疑問と思われます。

以前にもお伝えしましたが、そもそも長い
金融の歴史の中で、バブルの崩壊を政府が
止めることに成功したという事例は、いま
だかつて一度もないからです。

もっとも、上海株の値下がりはあまりにも
急でしたから、そろそろ反転してもおかし
くない時期になっており、ひょっとすると
あの暴落は何だったのだろうかと思うほど
暴騰をする可能性も十分にあります。

しかし、こうした暴騰があったとしても、
それは本来の中国経済の状況とは全く無縁
のバブルに過ぎませんから、その後のさら
に大きな「バブル崩壊=株価暴落」の序章
に過ぎないのではないかと思われます。

さて欧州に目を転じると、今朝のニュース
では、ギリシャの国民投票の結果、EUが
求める財政緊縮策受け入れに対する反対票
が6割を超え、チプラス首相が勝利宣言
をしたそうです。

今後ギリシャは、EUやIMFなどの債権
団と支援継続の協議にのぞむ考えですが、
ギリシャ国内の銀行の手元資金も数日で底
をつくとも言われています。

EUやIMFなどの債権団との協議が、
直ちに打ち切られることはないにせよ、
欧州中央銀行が保有するギリシャ国債35
億ユーロが償還期限を迎える今月20日を
無事乗り切れるかどうか、かなり緊迫した
状況が続きそうです。

また、現在はギリシャ危機ばかりが注目を
集めていますが、欧州経済の火種は、ギリ
シャ危機だけではないものと思われます。

その一つが、欧州各国の国債の金利の動き
です。

たとえば、ドイツ国債(10年債)の金利
は、4月16日には史上最低水準である
0.057%を記録してから、2か月弱日後の
6月10日には0.981%へと、17倍にも
急上昇(価格は急低下)しています。

国債金利の高騰は、ドイツだけの問題では
ありません。

スペインでは3月11日に1.081%だった
10年国債の金利が、6月15日には2.41%
と2倍以上に急騰し、フランスでは4月
16日に0.352%だったのが、6月10には
1.313%と、3.7倍にも急騰しています。

国債の取引では、手持ち資金の数倍もの
レバレッジをかけるのが普通なで、金利が
急上昇すると、金利にレバレッジの倍率を
乗じた巨大な損失が発生することになる
そうです。

こうした欧州各国の国債金利の急騰で、
大手金融機関やヘッジファンド等が破綻
する事態がいつ起こっても何ら不思議では
なく、ユーロ圏の金融情勢は、ますます
悪化する可能性が高いと考えらます。

たとえば、米格付け会社スタンダード・
アンド・プアーズ(S&P)は、6月9日
に、ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行の
格付けを、「A」から「BBB+」に2段
階引き下げています。

この格付けは、リーマンブラザーズが
破たんする3か月前に引き下げられた時
の格付けより低く、世界を代表する大手
銀行の格付けとしては異例の低さです。

ドイツ銀行は今年3月の銀行業界による
ストレステストにも合格せず、昨年に続き
資本増強を迫られており、この6月上旬
には、2名の共同代表CEOが退社する
ことを発表しています。

ドイツ最大の金融機関であるドイツ銀行内
で、何か異変が起きていることをうかがわ
せる事実ですが、一説によるとドイツ銀行
が抱えるデリバティブの想定元本は、ユー
ロ圏全体のGDP9.6兆円の3.5倍以上とも
言われています。

この巨大なデリバティブ想定元本が、
ユーロ圏の金利高騰による国債価格急落の
影響を受けているとすれば、想像もつかい
ほどの損失が生じている可能性すらあるの
です。

このように、ユーロ圏の最優等生と言われ
ているドイツですら、国債金利の急騰
(国債価格の暴落)や金融機関破たんの
可能性といった火種を抱えているのです。

このように、仮に今回のギリシャ危機を
一旦乗り切ったとしても、欧州の金融情勢
については、国債金利急騰による金融機関
の経営不安など、まだまだ油断がならない
状況が続くものと考えられます。

最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。

田村誠邦

■編集後記

今朝8時から始まった、サッカーの女子
ワールドカップ(W杯)カナダ大会決勝
の試合、楽しみにしていた方も多かったの
ではないでしょうか?

しかし、悲願の連覇を狙った、なでしこ
ジャパンの挑戦は、米国に2-5の大差で
の敗戦という、大変残念な結果に終わって
しまいました。

前半わずか16分間に4点のビハインドを
背負うという展開は、まったく予想できな
かったものですが、それでも準決勝までの
6試合でわずか1失点という米国から、
2点をもぎ取った健闘はすばらしかったと
思います。

何よりも、W杯開幕前からの苦戦の予想
を覆して、1点差の勝利を積み重ねて、
W杯、オリンピックとあわせて3大会連
続で決勝戦まで進んだ精神力は、十分に
賞賛に値するものだと思います。

大敗のショックは大きいでしょうが、
なでしこジャパンのメンバーには、ぜひ
胸を張って帰国してもらい、この経験を
次の挑戦に繋げていってもらいたいと
思います。

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代表取締役 田村誠邦(明治大学理工学部 特任教授)

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